「歯周ポケットが4mm・5mmあります」と言われました。これって歯周病?
先生、歯医者さんで歯ぐきをチクチク測って、『ここは4mmですね』『奥歯は5mmあります』と言われることがありますよね。
ありますね。数字だけ聞いても、それが良いのか悪いのか分からない患者さんも多いと思います
4mmや5mmだと、もう歯周病なんですか?
歯周ポケットが4mm・5mmあることは、歯周病を疑う重要なサインの一つです。ただし、ポケットの深さだけで歯周病の進行度を決めるわけではありません
4mmだから歯周病、5mmだから重症、と単純には言えないんですね
そうです。出血の有無、レントゲンで見た骨の状態、歯の揺れなども含めて総合的に診断します
そもそも歯周ポケットとは?
歯周ポケットって、どこの深さを測っているんですか?
歯と歯ぐきの境目にある溝の深さです。歯科では細い器具を歯と歯ぐきの間に入れて、その深さを測定します
あのチクチクする検査ですね
そうです。プロービングと呼ばれる検査です
どうして歯周病になると深くなるんですか?
歯周病によって歯を支えている組織が壊れていくと、歯と歯ぐきの間の溝が深くなっていくことがあります
歯周ポケットは何mmなら正常?
では、何mmくらいなら大丈夫なんでしょう?
一般的には、1~3mm程度が健康な歯ぐきの一つの目安になります。
では4mmから歯周病ですか?
4mm以上になると注意が必要です。ただ、ここは少し丁寧に考えた方がいいですね
どういうことですか?
例えば、歯ぐきに炎症があって腫れているために、一時的にポケットが深く測定されることもあります。逆にポケットがそれほど深くなくても、過去の歯周病によって歯ぐきや骨が下がっている場合もあります
数字だけでは分からないんですね
はい。ですから、『4mmという数字=そのまま歯周病の重症度』ではありません
4mmと5mmでは何が違う?
でも、4mmと5mmだったら5mmの方が悪いんですよね?
基本的には、ポケットが深くなるほど歯ブラシなどによるセルフケアが難しくなり、歯周病菌がたまりやすい環境になります
1mmしか違わなくても重要なんですか?
もちろん数字は大切です。ただし、4mmと5mmの差だけを見て治療方針を決めるわけではありません
他に何を見るんですか?
特に大切なのが、検査をしたときに出血するかどうかです
歯周ポケットから出血すると良くない?
検査したときに血が出ることがありますよね
はい。これをBOP、Bleeding on Probingといいます。プロービングしたときの出血ですね
出血すると歯周病なんですか?
出血は、その部分に炎症があることを示す重要なサインです
例えば同じ4mmでも違うんですか?
そうですね。例えば4mmで出血がない部位と、4mmで毎回出血する部位では、同じようには考えません
なるほど。数字と出血をセットで見るんですね
さらにレントゲンで骨が減っているか、歯石が付着しているか、歯が揺れていないかなども確認します
歯周病になると骨が減るって本当?
先生、歯周病で『骨が減っています』と言われることもありますよね
あります。歯周病が進行すると、歯を支えている歯槽骨という骨が失われていきます
歯ぐきだけの病気ではないんですね
そうなんです。初期の歯肉炎では主に歯ぐきに炎症がありますが、歯周炎になると歯を支える組織まで破壊が進みます
だからレントゲンも必要なんですね
はい。歯周ポケットの検査だけでは、骨がどのくらい残っているのかは分かりません。ポケット検査とレントゲンの両方を見ることが非常に重要です
5mmあったら歯石取りが必要?
5mmの歯周ポケットがあった場合、どんな治療をするんですか?
まずは歯磨きの状態を改善し、歯ぐきより上に付着しているプラークや歯石を除去します
普通の歯石取りですね
そうですね。それでも深いポケットが残る場合や、歯ぐきの中に歯石が付着している場合には、歯ぐきの中の歯石や汚れを除去する処置が必要になることがあります
SRPですか?
はい。スケーリング・ルートプレーニング、いわゆるSRPです
歯石を取ればポケットは浅くなりますか?
治療すると5mmが3mmになることもあるんですか?
あります
骨が元通りになるということですか?
必ずしもそういう意味ではありません。炎症が改善して腫れていた歯ぐきが引き締まることで、ポケットが浅くなることがあります
治療前と治療後でもう一度測るんですね
そうです。歯周病治療では、治療したら終わりではなく、もう一度検査して改善したかを確認することが重要です
4mm・5mmでも痛くないのはなぜ?
でも歯周病って、結構進んでいても痛くない人がいますよね
そこが歯周病の怖いところです
虫歯とは少し違いますね
はい。歯周病は、初期から中等度くらいまで自覚症状がほとんどないことがあります
5mmあっても何も感じないことがある?
十分あります。さらに進行すると、歯ぐきから血が出る、口臭が気になる、歯ぐきが下がる、歯がグラグラする、といった症状が出てくることがあります
一度深くなった歯周ポケットは放置していい?
痛くなければ、4mmくらいなら様子を見てもいいですか?
これも状態によります。ただ、出血がある、歯石が付着している、レントゲンで骨吸収が認められる、といった場合には治療が必要になることがあります
逆に4mmだから必ずSRPする、というわけでもない?
そうです。数字だけを見て治療するのではなく、その場所に現在炎症があるのか、歯周病が進行するリスクがあるのかを判断することが大切です
そう歯科学芸大学ではどうする?
そう歯科学芸大学では、歯周ポケットが4mmや5mmだった場合、どうしていますか?
当院では、ポケットの数字だけを見て『歯周病です』『ここは治療が必要です』と判断するのではなく、口腔内全体を確認します
具体的にはどういうことでしょうか?
歯周ポケットの深さ、プロービング時の出血、プラークや歯石の付着、歯の揺れ、そしてレントゲンで歯を支えている骨の状態などを確認します
最初に検査することが大切なんですね
はい。そして、患者さんにもご自身の状態を知っていただくことを大切にしています
いきなり歯石を取って終わり、ではないんですね
そうですね。そう歯科学芸大学では『一人ひとりに確かな情報を、よりよい選択肢を』という考えのもと、なぜ歯周病治療が必要なのか、どこに問題があるのかをできるだけ分かりやすく説明してから治療を進めることを大切にしています
よくある質問
Q.歯周ポケット4mmは歯周病ですか?
A.歯周病を疑う一つのサインですが、4mmという数字だけでは診断できません。出血の有無やレントゲンで確認した骨の状態などを含めて判断します。
Q. 歯周ポケット5mmは重症ですか?
A. 5mmだから重症と単純には判断できません。ただし、清掃が難しくなりやすいため、出血や歯石、骨吸収などがないか確認することが大切です。
Q. 歯周ポケットは元に戻りますか?
A. 炎症が改善して歯ぐきが引き締まることで、ポケットが浅くなることがあります。ただし、失われた歯周組織がすべて元通りになるという意味ではありません。
Q. 歯周ポケットの検査で血が出るのはなぜ?
A. 歯ぐきに炎症があると、プロービングによって出血しやすくなります。出血の有無は歯周病の状態を判断する重要な情報の一つです。
Q. 4mm・5mmでも痛くないなら大丈夫ですか?
A. 痛みがなくても歯周病が進行していることがあります。歯周病は自覚症状が少ないまま進むことがあるため、検査結果を確認することが重要です。
まとめ
歯医者で「歯周ポケットが4mm・5mmあります」と言われると、
「もう歯周病なの?」
「歯が抜けてしまうの?」
「歯石取りをしないといけない?」
と不安になるかもしれません。
歯周ポケットの深さは、歯周病を調べるうえで非常に重要な検査です。
しかし、4mm・5mmという数字だけで歯周病の重症度が決まるわけではありません。
大切なのは、ポケットの深さに加えて、出血、歯石、歯の揺れ、レントゲンで確認した骨の状態などを総合的に評価することです。
そう歯科学芸大学では、現在のお口の状態を検査し、患者さんにも分かりやすくご説明したうえで、必要な歯周病治療をご提案しています。
「歯周ポケットが深いと言われた」
「歯周病と言われたけれど、どの程度なのか分からない」
「歯石取りやSRPがなぜ必要なのか知りたい」
という方は、お気軽にご相談ください。