子どもの指しゃぶりがとまりません。このままにしていて大丈夫でしょうか?
先生、“指しゃぶり”についてお伺いしてもいいですか?保護者の方からよく相談されるんです。
もちろんです。指しゃぶりは赤ちゃんや小さな子どもにとって自然な行動なんですが、年齢が上がっても続けていると、歯やあごに影響が出てきます。
なぜ指しゃぶりはよくないの?
具体的にはどんな影響が出てくるのでしょうか?
例えば次のようなことが起こりやすくなります。
- 上の前歯が前に出てきて、出っ歯になりやすい。
- 開咬(かいこう)になる(前歯がかみ合わず、前歯の上下ですき間ができる)
- 上あごだけが発達してしまい、アンバランスになる
- 発音に影響が出る(サ行・ラ行が話しにくくなる)
- 将来はえてくる永久歯の歯並びにも影響する
見た目の審美的なこともそうですが、開咬になって前歯に隙間が生まれることによって、舌突出がみられます。
食べたものをうまく粉砕できなかったり、飲み込むのがうまくできなくなります。
口があいていると、口の中が乾燥しやすくなり、口呼吸となり虫歯のリスクが上がったり、風邪をひきやすくなったりします。
いつまでにやめるのが理想?
では、何歳くらいまでにやめたらいいんですか?
3歳ごろまでには自然にやめるのが理想的です。
ただ、4歳を過ぎても続いていると、歯並びへの影響が出てくる可能性が高まります。
どうやってやめさせたらいいの?
でも、無理にやめさせようとするとストレスになりませんか?
そうですね。叱るより“応援”してあげることが大事ですね。
たとえば…
- 日中は手を使って遊ぶ時間を増やす。
(粘土遊び、積み木。お絵描き、パズルなど) - 寝る前の習慣を変える
(ぬいぐるみを持たせる、手を握って寝る、絵本を読み聞かせたりなど安心できる環境づくり) - 指に絆創膏を貼って、やさしく注意を促す。
- 目標を一緒につくる
(まずは、寝る前だけはやめてみよう など) - 頑張った日はシールなどでしっかりほめてあげる。
自分でがんばっている」という実感があるほうが長続きします。
もし指しゃぶりが続いていたら?
もしやめられなかった場合は、どうすればいいですか?
その場合は、歯科医院で相談できます。当院では、MFT(口腔機能療法)を中心としたお口の機能を改善するトレーニングをその子に応じたオーダーメイドで対応します。
必要に応じて、『指しゃぶり防止装置(口腔内装置)』を使うこともありますが、お子さんとご家族と相談しながら、無理のない形で進めていきます。
まとめ
今日もありがとうございました。保護者の方にも伝えやすくなりました!
どういたしまして。指しゃぶりは癖だからダメ”ではなく、「お口の成長のためにそろそろ卒業しようね」という気持ちで接してあげるのが大切ですよ。
そう歯科学芸大学では、矯正だけでなく、MFTといわれる日々のくちの動かし方、使い方に対して、適切なトレーニングをして、お口の癖を改善していきます。
お子様のお口について気になることがあれば、いつでもご相談ください。
一度、お子様のお口の相談をしてください!