歯医者で「歯の根が短い」と言われました。大丈夫?将来抜けるの?
先生、レントゲンを見て『歯の根が短いですね』と言われたら、ちょっと怖くないですか?
そうですよね。『根が短いってことは、歯が抜けやすいの?』『この歯は長くもたないの?』と心配される方もいらっしゃいます
歯の根って、そもそも短くなることがあるんですか?
あります。もともと歯根が短い場合もあれば、何らかの原因で歯根が短くなっている場合もあります。まずは、なぜ短いのかを考えることが大切です
そもそも「歯の根が短い」ってどういうこと?
まず、歯の根が短いというのはどういう状態ですか?
歯は、歯ぐきから見えている『歯冠』と、顎の骨の中に埋まっている『歯根』に分けられます
普段見えているのは歯の一部分なんですね
そうです。歯根は骨の中にあり、歯を支える重要な部分です。レントゲンを撮影すると、その歯根の長さや形をある程度確認できます
そこで『他の歯より根が短いですね』と分かることがあるんですね
はい。ただ、歯根の長さには個人差がありますし、歯の種類によっても違います。短いからといって、それだけで異常とは限りません
生まれつき歯の根が短い人もいる?
何もしていないのに、もともと根が短いこともあるんですか?
あります。歯根の形や長さには個人差があり、生まれつき比較的短い歯根を持っている方もいます
それなら病気というわけではない?
必ずしも病気ではありません。複数の歯が似たような形で短かったり、以前のレントゲンと比較して長さが変わっていなかったりする場合には、もともとの形態である可能性も考えます
短くても普通に使えている人もいるんですね
もちろんいます。歯がしっかりしていて、周囲の骨や歯ぐきに問題がなければ、歯根が短いという理由だけですぐに治療が必要になるわけではありません
矯正治療で歯の根が短くなることがある?
『矯正すると歯の根が短くなることがある』と聞いたことがあります
はい。矯正治療では歯に力を加えて骨の中を少しずつ動かしていきます。その過程で、歯根の先端部分が吸収されて短くなることがあります。これを歯根吸収といいます
矯正した人はみんな歯根吸収するんですか?
程度には個人差があります。軽度の歯根吸収がみられることはありますが、大きく吸収するケースは限られます
何が原因なんですか?
矯正する期間や歯の移動量、加わる力、歯根の形、もともとの体質など、いろいろな要因が関係すると考えられています
矯正治療が終わったあとに、レントゲンで初めて『根が短いですね』と言われることもある?
あります。そのため、矯正治療では必要に応じてレントゲンで歯根の状態を確認することがあります
転んだり歯をぶつけたりしたことも関係する?
外傷でも歯の根が短くなることがありますか?
あります。特に過去に強く歯をぶつけたことがある場合、その影響で歯根吸収が起こることがあります
子どもの頃にぶつけたことでも?
可能性はあります。本人が覚えていないような昔の外傷が関係しているケースもあります
外傷の場合は、根が短くなる以外にも問題が起きることがありますか?
はい。歯の神経がダメージを受けていたり、歯の根の周囲に炎症が起きたりすることもあります。そのため、外傷歴がある歯では歯根の長さだけでなく、神経の状態や根の周囲の骨なども確認します
歯周病で「歯を支える部分が少ない」のとは違う?
先生、歯周病でも『歯を支える骨が減っています』と言われますよね。歯根が短いのとは違うんですか?
ここは大きな違いです
どう違うんでしょう?
歯根吸収は、基本的には歯根そのものが短くなる状態です。一方、歯周病では歯根自体の長さが短くなるわけではなく、歯を支えている周囲の骨が減っていきます
なるほど。歯周病は根が短くなるのではなく、根を支える骨が少なくなるんですね
その通りです。ただし、どちらも結果として『骨に支えられている歯根の量が少なくなる』ことがあるので、歯の安定性を考えるうえでは重要です
根が短いと将来抜けてしまう?
一番気になるところですが、根が短い歯は将来抜けてしまうんでしょうか?
『歯根が短い=将来必ず抜ける』ではありません
そこは安心していいんですね
はい。ただし、歯根が短ければ、長い歯根と比べて骨の中で支えられる面積が少なくなることがあります。そのため、歯根の長さだけではなく、周囲の骨の量、歯周病の有無、歯の揺れ、噛み合わせなどを総合的に確認する必要があります
根の長さだけで寿命を決めることはできない?
そうです。例えば、根が短くても歯周病がなく、骨がしっかり残っていて、過度な力がかかっていなければ、長期間問題なく使える可能性があります
逆に、歯根が短いうえに歯周病も進んでいると?
歯を支える条件としては不利になります。ですから、より丁寧な歯周病管理や定期的なチェックが重要になります
根が短い歯は抜いた方がいい?
根が短いと分かったら、早めに抜いた方がいいんですか?
いいえ。歯根が短いという理由だけで抜歯するわけではありません
問題なく使えているなら残す?
基本的にはそう考えます。痛みがなく、歯周組織が安定していて、噛む機能にも問題がなければ、経過を確認しながら使っていくことがあります
すぐに何か治療するというより、状態を見ていくことも多いんですね
はい。大切なのは『短いかどうか』だけではなく、今その歯がどのくらい安定しているかです
歯根吸収は治りますか?
一度短くなった歯根は、また伸びてくるんですか?
残念ながら、吸収されて短くなった歯根が元の長さまで再生することは基本的には期待できません
では、これ以上悪くならないようにすることが大切?
そうですね。原因によって対応は異なりますが、進行している歯根吸収なのか、すでに止まっているものなのかを判断することが重要です
以前のレントゲンがあると分かりやすい?
『もともと短かったのか、最近短くなったのか』って、どうやって判断するんですか?
そこで役立つのが過去のレントゲンです
昔の写真と比べるんですね
はい。数年前のレントゲンと現在のものを比較すると、以前から同じ長さだったのか、途中から短くなっているのかを判断する材料になります
転院した場合でも、以前の歯科医院のレントゲンがあると参考になりそうですね
そうですね。もちろん撮影条件によって見え方が違うこともありますが、過去の資料は非常に有用です
根が短いと言われたら何に気をつければいい?
では、根が短いと言われた人が普段気をつけることはありますか?
まずは歯周病を進行させないことですね
根が短いところに、さらに骨が減ってしまうと困りますもんね
その通りです。そのため、毎日の歯磨きやフロス、歯科医院での定期的な歯周病のチェックが大切です
噛み合わせも関係しますか?
強い食いしばりや歯ぎしりなどで特定の歯に大きな負担がかかっている場合には、噛み合わせや力のコントロールについて検討することもあります
そう歯科学芸大学ではどう確認する?
そう歯科学芸大学では、『歯の根が短い』場合はどんなところを確認していますか?
レントゲンで歯根の長さだけを見るのではなく、周囲の骨の状態、歯周ポケット、歯の揺れ、噛み合わせ、過去の矯正治療や外傷歴なども確認します
『短いから危ない』と単純に判断するわけではないんですね
そうですね。また、以前のレントゲンがあれば比較することも大切です
すぐ治療が必要なのか、経過観察でいいのかも判断する?
はい。歯根が短くても安定している歯であれば、必要以上に治療をせず、定期的に状態を確認していくことも大切な選択肢です
そう歯科学芸大学の理念にもつながりますね
はい。**『一人ひとりに確かな情報を、よりよい選択肢を。』**という理念のもと、レントゲンで見つかったことをただお伝えするだけではなく、『なぜそうなっているのか』『今後どんなことに気をつければよいのか』まで、できるだけ分かりやすくご説明することを大切にしています
よくある質問
Q. 歯の根が短いと、歯の寿命も短いですか?
必ずしもそうではありません。歯根の長さだけではなく、周囲の骨や歯周病の状態、歯の揺れ、噛み合わせなどによって変わります
Q. 矯正をしたら歯の根が短くなっていました。大丈夫ですか?
軽度の歯根吸収で、その後安定している場合は経過をみることもあります。吸収の程度や歯の状態を確認することが大切です
Q. 生まれつき歯の根が短いこともありますか?
あります。歯根の長さや形には個人差があります。以前のレントゲンがある場合には比較すると判断しやすくなります
Q. 歯周病で歯の根が短くなるんですか?
歯周病では基本的に歯根そのものが短くなるのではなく、歯根を支えている周囲の骨が減っていきます
Q. 短くなった歯根は元に戻りますか?
吸収された歯根が元の長さまで再生することは基本的には期待できません。そのため、原因や進行の有無を確認し、残っている歯や骨を守っていくことが重要です
まとめ
『歯の根が短い』と言われても、すぐに抜けるという意味ではないんですね
その通りです
歯根が短く見える原因には、生まれつきの歯根の形、矯正治療による歯根吸収、過去の外傷などがあります
また、歯周病は歯根そのものが短くなる病気ではなく、歯を支えている骨が減っていく病気なので、分けて考える必要があります
大切なのは、レントゲンで『根が短い』という一点だけを見るのではなく、
なぜ短いのか、周囲の骨はどのくらい残っているのか、歯は揺れていないか、今後も吸収が進む可能性があるのか
を総合的に確認することです
歯の根が短いと言われて『将来抜けてしまうのでは?』と不安な方は、現在の状態と今後の見通しについて歯科医院で確認してみてください