歯医者で「歯の根の先に影があります」と言われました。これは何ですか?
先生、“レントゲンで歯の根の先に黒い影があります”と言われたんですが、これって何なんですか?という質問がありますよね
ありますね。影がある=悪い病気なの?歯を抜かないといけないの?と心配される方も多いです
実際、この影は、何を表しているんですか?
多くの場合、歯の根の先に炎症が起きて、周囲の骨に変化が出ている状態です。歯科では『根尖性歯周炎』や『根尖病変』などと呼ばれることがあります
どうして歯の根の先に炎症が起こるんですか?
主な原因は、歯の中に細菌が入り込むことです。例えば、大きな虫歯で神経が死んでしまった歯や、以前に根管治療をした歯が再感染した場合などに起こります
神経が死んでいても、自分では気づかないことがありますか?
あります。痛みがほとんどないまま進行して、定期検診のレントゲンで初めて見つかることも珍しくありません
痛くないなら、そのまま様子を見てもいいんですか?
状態によります。ただし、痛みがないから炎症が治っているとは限りません。慢性的な炎症の場合は、症状がなくても根の先で細菌感染が続いていることがあります
逆に、症状が出る場合はどんな感じですか?
噛んだ時に痛い、歯が浮いた感じがする、歯ぐきが腫れる、歯ぐきに白いニキビのようなものができる、といった症状が出ることがあります
白いニキビって、以前お話ししたフィステルやサイナストラクトですね
そうですね。根の先にたまった膿の出口として、歯ぐきに小さなできものができることがあります
黒い影があると、必ず根管治療が必要ですか?
必ずとは限りません。影の大きさだけではなく、症状、神経の状態、過去にどんな治療をしているかなどを総合的に判断します
例えば、どんな検査をするんですか?
レントゲンだけでなく、歯を叩いた時の反応、噛んだ時の痛み、歯の神経が反応しているかどうかなどを確認します。必要に応じてCTを撮影することもあります
CTを撮ることもあるんですか?
あります。通常のレントゲンは平面的な画像ですが、CTでは歯や骨を立体的に確認できます
何が分かるんですか?
根の先の炎症がどのくらい広がっているのか、根の形が複雑ではないか、見つけにくい根管がないか、歯にヒビや破折が疑われないかなどを確認するために役立つことがあります
レントゲンだけでは分からないケースもあるんですね
そうですね。特に、一度根管治療をしたのに症状が続いている場合や、原因がはっきりしない場合には、CTが診断の助けになることがあります
根の先の影は治りますか?
治療をすれば、この黒い影はなくなるんですか?
原因となっている感染を根管治療で取り除くことで、周囲の骨が少しずつ回復し、レントゲン上の影が小さくなっていくことがあります
すぐに消えるんですか?
いいえ。骨が回復するには時間がかかります。そのため、治療後もレントゲンで定期的に経過を確認します
治療した直後に影が残っていても、失敗というわけではないんですね
その通りです。症状が改善しているか、時間とともに影が小さくなっているかを見て判断することが大切です
以前、根の治療をした歯にも影ができる?
すでに神経を取って根の治療をした歯でも、影ができるんですか?
あります。根管治療をした歯でも、根の中に細菌が残っていたり、被せ物の隙間などから再び細菌が入ったりすると、根の先に炎症が起こることがあります
その場合はどうするんですか?
状態によっては、もう一度根の中をきれいにする『再根管治療』を行います
何度でも治療できるんですか?
再治療が可能なケースも多いですが、歯の残っている量やヒビの有無などによっては難しいこともあります
根の先に影があったら抜歯になりますか?
患者さんが一番心配なのは、抜歯になりますか?というところだと思います
そうですね。ただ、根の先に影があるだけで、すぐ抜歯になるわけではありません
歯を残せるケースも多いんですね
はい。適切な根管治療によって歯を残せることはあります。一方で、歯根破折がある、虫歯がかなり深い、歯を支える組織が大きく失われているなどの場合は、残すことが難しいこともあります
だから、影だけで判断しないことが大切なんですね
その通りです!
そう歯科学芸大学ではどうする?
そう歯科学芸大学では、根の先に影がある場合、どのように診断していますか?
まずレントゲンや症状だけで“根の治療が必要”と決めるのではなく、神経の状態や過去の治療歴、噛み合わせなども含めて確認します
必要に応じてCTも使うんですね
はい。通常のレントゲンだけでは判断が難しい場合には、CTを用いて根の形や炎症の広がりなどを確認します
よくある質問
Q.歯の根の先に影があるのに痛くありません。治療は必要ですか?
A. 痛みがなくても慢性的な炎症が続いていることがあります。症状だけでは判断できないため、レントゲンや神経の状態などを確認して治療の必要性を判断します。
Q. 根の先の影は膿ですか?
A. 必ずしも、膿そのものが写っているわけではありません。炎症によって根の周囲の骨が変化し、レントゲンで黒い影として見えていることがあります。
Q. 根管治療をすれば影は消えますか?
A. 原因となる感染を適切に取り除くことで、時間とともに骨が回復し、影が小さくなることがあります。ただし回復には数か月以上かかる場合があります。
Q. CTを撮れば原因は必ず分かりますか?
A. CTは非常に有用な検査ですが、CTだけですべてを診断できるわけではありません。症状や神経の反応、噛み合わせなどを総合して判断します。
まとめ
歯医者で「歯の根の先に影があります」と言われた場合、多くは歯の根の先に炎症が起こり、周囲の骨に変化が出ている状態です。
原因としては、大きな虫歯による神経の壊死や、過去に根管治療をした歯の再感染などが考えられます。
ただし、黒い影があるからといって、必ず抜歯になるわけではありません。
そう歯科学芸大学では、レントゲンや必要に応じたCT、症状、神経の状態などを総合的に確認し、できるだけご自身の歯を残せる方法を検討します。
「根の先に影があると言われたけれど、痛くない」
「根の治療をやり直す必要があると言われた」
「この歯を残せるのか知りたい」
そんな方はお気軽にご相談ください。現在の状態と治療の選択肢を分かりやすくご説明いたします。